こどもの食物アレルギー

ケーキが食べでみたい。みんなと同じものが食べたい。

食物アレルギーは、こどものアレルギーの病気の中で重要なもののひとつです。

乳児期にもっとも多く、発症の30%以上が0歳との報告もあります。
症状には、皮膚症状(発疹、浮腫など)、呼吸症状(咳、喘鳴など)、消化器症状(嘔吐、下痢など)、血圧低下などのショック症状などがあります。

多くが食物を食べて比較的短時間で症状が出現する即時型です。
原因食物は鶏卵、牛乳、小麦で70%以上を占めます。

ここ数年で多くのことが判明してきて予防や治療に大きな変化があります。
以前は、疑われるときは完全除去が勧められることがありましたが、現在は必要最小限の除去で可能な範囲で食べることを推奨します。

妊娠中や授乳中に母親に食物除去を推奨していた頃もありましたが、その効果は否定されて、母親の栄養状態からも推奨されません。
さらに食物によっては食べ始めるのを遅らせることで食物アレルギーの発症リスクが上がることが報告されています。
経皮感作から皮膚状態の重要性が再確認されています。

当院では、まずしっかりと問診をおこない、必要な検査を実施します。
アレルギー検査には血液検査(特異的IgE検査、好酸球)、皮膚テスト(プリックテスト)などを実施します。これらの検査はあくまで参考であり、食物アレルギーの診断には食物経口負荷試験が重要です。当院では院内で安全を確保して食物経口負荷試験を実施します。それらを踏まえて食事指導を実施して可能な範囲で除去を解除していきます。

その他の食物アレルギーには、嘔吐、下痢、血便などを主訴とする新生児・乳児消化管アレルギー、運動が関与する食物依存性運動誘発アナフィラキシー、花粉と関連のある口腔アレルギー症候群などがあります。これらについても当院では診察、治療をおこないます。